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遺言の種類

ここでは、遺言書(遺言)について説明していきます。

遺言の種類は通常、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つに大別されます。

また、遺言は文字で残すのが原則とされており、後日の改変が可能なビデオテープや録音テープなどは認められていません。

そして、遺言は共同で作成はできずに、必ず個人単位で作成しなければなりません。

1.自筆証書遺言

自筆証書遺言は、本人が本文の全文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印したものです。
用紙に特に制限はありませんが、ワープロを使ったり、代筆してもらうことは認められず、必ず自分で書くことが必要となります。

◆自筆証書遺言のメリット
・いつでも簡単に作成できる
・費用が掛からない
・遺言内容や、遺言したこと自体を秘密にできます

◆自筆証書遺言のデメリット
・遺言者にとっては遺言内容の実現が不確実
(発見されなかったり、破棄されたり、偽造・変造されるおそれがある)
・遺言書自体が形式上の不備などにより、法律上無効となる恐れがある
・開封時、遺族は家庭裁判所の検認手続きが必要 (検認を経ないで遺言を執行すると5万円以下の過料に処せられる)

2.公正証書遺言

本人が公証役場に行き,公証人の面前で(証人2人以上の立会いの下で),遺言の内容を口授し,それに基づいて,公証人が,遺言者の真意を正確に文章にまとめ,公正証書遺言として作成するものです。

公証人がまとめた内容を遺言者と証人に読み聞かせ(または閲覧させ)、内容が正確なことを確認した上で、遺言者と証人が署名・押印し、最後に公証人が署名・押印して完成です。

(未成年者や、相続人になる可能性のある人、遺言によって財産を取得する人、及びそれらの配偶者や直系血族(父母・祖父母・子・孫など)は、証人にはなれません。そのため、遺言書の作成を依頼した弁護士などの専門家に証人になってもらうことも一つの方法です。)

費用がかかってしまいますが、公正証書遺言は公証役場にその原本が保管されるため、紛失や内容の改ざんのおそれもなく、後の紛争の予防のためには一番確実なものであり、また、家庭裁判所における検認の手続きも不要となるため、遺族の手間も省くことが出来ます。

◆公正証書遺言のメリット
・専門家である公証人が作成するため、遺言書が法律上無効となることはない。
・公正証書遺言の原本を公証役場で保管してくれるため、保管が確実であり、紛失や改ざんのおそれもない
・家庭裁判所の検認手続きが不要

◆公正証書遺言のデメリット
・遺言書の作成及び内容を第三者(証人)に知られてしまう
※もちろん証人には守秘義務がありますので、第三者に内容を漏らすことは禁止されます
・費用と手間がかかる。

3.秘密証書遺言

公正証書遺言と同じように公証役場で作成するのですが、遺言書の内容を密封して公証人も内容を確認できないところが相違点です。

公正証書遺言と同様に、公証役場にその原本が保管されていることから、紛失や内容の改ざんのおそれはありませんが、遺言書の内容自体については公証人が確認していませんので、内容により法律上無効となるおそれはあります。

また、秘密証書遺言も、本人の死後に家庭裁判所における検認の手続きが必要となります。

◆秘密証書遺言のメリット
・遺言内容の秘密を確保できる

◆秘密証書遺言のデメリット
・遺言したこと自体は、第三者(証人)に知られてしまう
・費用がかかる
・開封時、遺族は家庭裁判所の検認手続きが必要 (検認を経ないで遺言を執行すると5万円以下の過料に処せられる)

メリット・デメリット

それぞれの遺言にはメリット・デメリットが存在します。各方法の相違点は

①家庭裁判所の検認手続の要否
②公証役場を利用することによる費用の要否
③遺言の内容を作成時点で第三者に知られるか否か
などです。

なお公正証書遺言は公証役場で作成され、法律の専門家である公証人が立ち会うことから、一般的に最も信頼性の高い方法であると言え、またその後も原本が公証役場に保管されますから、偽造や紛失の危険性も殆どない手続であると言えます。

したがって、基本的には、最も確実な遺言である公正証書遺言の作成を検討し、よほど内容を第三者に知られたくないような場合に限り、自筆証書遺言や秘密証書遺言の作成を検討すべきでしょう。

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